第16回のひのとり検討会を開催しました。
ひのとり検討会は医師、コメディカル、ケアマネジャーが集まって医療と介護の一元化を目指し、それぞれの職種の役割の理解を深めるためにひのとり検討会を開催しています。
10月の検討会は、理学療法士の松原さんから「リハビリの効果を“見える化”することの大切さ」についてお話がありました。
今回はその内容を、皆さんにもわかりやすくお伝えしたいと思います。
◆ リハビリの成果、ちゃんと伝わっていますか?
私たちひのとり整形在宅クリニックでは、医師とリハビリスタッフが連携し、患者さんの状態を一元的に把握できるのが強みです。
しかし実際には、リハビリの「効果」って見えにくいこともあります。「少しずつ良くなってますよ」と伝えても、本人やご家族にはピンとこないことも…。
そこで大切になるのが、「アウトカム(指標)」というものです。
これは、リハビリによってどのくらい身体機能が変わったかを、数値や具体的な行動で表す方法です。
◆ 実際の例をご紹介します
80代の女性の方の例です。右手首を骨折して手術後、当院で訪問リハビリが開始になりました。
最初は、肘がうまく伸びず、手首もほとんど動かせない状態。着替えや洗濯など、日常生活にたくさん困りごとを抱えていらっしゃいました。
でも、「自分のことは自分でできるようになりたい」という気持ちで、リハビリを継続。
6ヶ月後には、肘や手首の動きも改善し、なんと握力は6kgから11kgまでアップしていたのです。
この数値を見たとき、ご本人は「まさかそんなに上がってたなんて!」と驚きと喜びを口にされました。
こうして“目に見える変化”があると、「もっと頑張ろう」という気持ちが自然と湧いてくるのですね。
◆ 「見える化」は、リハビリだけじゃない
アウトカム指標は、患者さん本人だけでなく、医師やケアマネジャー、デイサービスのスタッフなど、多職種の情報共有にも役立ちます。
たとえば、
「握力が安定してきたから、料理や洗濯を再開しても大丈夫そう」
「入浴時の動作が安定したから、デイサービスの内容を調整しよう」
…というように、よりその方に合ったサービスへつなげやすくなるのです。
◆ これからのリハビリ部門の取り組み
今後、私たちリハビリ部門では、患者さんの身体機能を客観的に評価するための共通の“ものさし”を整えていく予定です。
「今はどこまでできて、どこが課題なのか」「どんなふうに良くなっているのか」
それをわかりやすく伝えることで、リハビリがもっと身近で、前向きなものになればと思っています。
今後とも勉強会等を通じ、医療と介護の一元化を目指して努めて参りますので、ひのとり整形在宅クリニックをよろしくお願いいたします。