【ケアマネ研修会】訪問診療の導入について

本人・家族の困りごとから考える在宅医療

2026年9月8日、ひのとり居宅介護支援事業所 大曽根・千種と、ひのとり整形在宅クリニックによる、居宅勉強会を開催しました。

今月から毎月開催することとなった今回の勉強会では、ケアマネジャーとクリニックスタッフが、日々の在宅支援について意見を交わしました。

第1回のテーマは、「訪問診療導入について」。

訪問診療を始める際に必要な情報や説明内容だけではなく、
「そもそも、なぜこの方に訪問診療が必要なのか」
という視点から、医療と介護それぞれの立場で考えました。

訪問診療の導入で大切なのは「何ができるか」だけではない

訪問診療を導入する際には、訪問回数や費用、緊急時の対応、どのような検査ができるのかなど、具体的な説明が必要です。

勉強会でも、

  • これまでの通院先や服薬内容
  • 既往歴や治療歴
  • 医療保険情報
  • 必要となる可能性のある医療行為
  • 本人・家族の意向
  • 訪問回数や費用
  • 緊急時の対応
  • レントゲン、エコー、心電図、血液検査などの検査

といった実務的な内容について情報を共有しました。

しかし、今回の意見交換を通して改めて確認されたのは、訪問診療の導入において本当に大切なのは、「当院ではこれができます」という機能の説明だけではないということです。

まずは「本人・家族が何に困っているのか」を考える

訪問診療を検討するとき、まず考えたいのは、

「この方は、今、何に困っているのだろう?」

ということです。

例えば、

  • 病気そのものに困っているのか
  • 病院やクリニックへ通院することが負担になっているのか
  • 自宅で生活を続けることに不安を感じているのか
  • 家族の介護負担が大きくなっているのか
  • 今後の急変や医療対応に不安を感じているのか

困っていることは、患者さんによって異なります。

「通院が難しくなったから訪問診療」という一言だけではなく、その背景にある本人・家族の課題を把握することが、訪問診療を検討するうえで重要になります。

「その困りごとに、訪問診療がどう役立つのか」を考える

訪問診療の導入では、本人が訪問診療についてどの程度理解しているのか、どのように受け止めているのかを確認することも重要です。

家族が訪問診療を希望していても、本人はどのように考えているのか。

本人は自宅で医師の診療を受けることを納得しているのか。

こうした本人の思いを確認しながら、必要に応じてキーパーソンや主治医とも情報を共有し、関係者が同じ方向を向いて診療を始められるようにすることが大切です。

ケアマネジャーが把握している生活状況や家族背景、本人の思いと、医療側が把握する病状や治療内容。

それぞれの情報を持ち寄ることで、よりその方に合った在宅医療につながっていきます。だけではなく、その背景にある本人・家族の課題を把握することが、訪問診療を検討するうえで重要になります。

病気だけでなく「その人の生活」を知る

今回の勉強会では、「病態管理と生活環境」についても意見交換を行いました。

医療側が病気や治療内容を把握することはもちろん重要ですが、それだけでは在宅生活を支えることはできません。

その方の、

  • これまでどのような生活を送ってきたのか
  • どのような性格なのか
  • どのようなサービスを利用しているのか
  • 家族にはどの程度の介護力があるのか
  • 現在の生活でどのようなことに困っているのか

といった情報を知ることも重要です。

「病気を診る」だけではなく、「その人の生活の中で病気を診る」。

そのためには、ケアマネジャーと医療者がそれぞれの視点から情報を共有することが欠かせません。

医療と介護の連携の実現に向けて

今回の勉強会では、これまで以上に直接話し合う機会をつくり、お互いの考え方や役割を理解することの大切さを確認しました。

訪問診療の導入は、単に「医師が自宅へ行って診療をする」という仕組みを始めることではありません。

本人・家族が抱えている困りごとを知り、その方がこれからも自宅でどのように生活していきたいのかを考える。

そのうえで、訪問診療がどのような役割を担えるのかを一緒に考え、本人・家族が納得した形で医療につないでいく。

それが、私たちが考える訪問診療導入の大切な視点です。

今後の勉強会では、より具体的な事例を取り上げながら、実際の支援場面で、

「ケアマネジャーはどのように情報を集め、どう動くのか」
「医療側はその情報をもとに何を考え、どう対応するのか」

を一緒に検討していく予定です。

毎月の勉強会を通して、本人・家族が安心して在宅生活を続けられるような連携を目指していきます。

↑ケアマネ・クリニック合同勉強会の様子

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